全国公的扶助研究会

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ごあいさつ

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全国公的扶助研究会
会長 吉永 純

全国公的扶助研究会は、全国の生活保護ケースワーカーをはじめ、福祉事務所などの行政機関や民間の医療機関、福祉施設や当事者団体など、貧困問題と向き合い、公的扶助実践の交流や向上に取り組む福祉関係者で構成する自主的な研究会です。1965年に福祉事務所の社会福祉研究サークルの全国組織として結成され半世紀の歴史をもっています。
現在、日本の貧困率は16.1%(2013年国民生活基礎調査)と市民6人に1人(人口では2050万)が貧困な生活を強いられています(貧困率とは、一人暮らしで可処分所得月額10万2千円未満(4人暮らしでは同20万4千円未満)で生活している人の人口に占める割合)。こうした貧困の拡大を要因として、生活保護利用者は数で制度発足後最大の217万人(2015年10月)に達していますが、貧困とみなされる層のうち1割程度しか生活保護では救済されていません。現代は、貧困が、高齢者、障害や病気のある方、ひとり親や子どもたち、また不安定な仕事に就かざるを得ない若者など多くの市民の生活を苦しめ、揺るがしていると言っても過言ではない状況です。
しかし、こうした生活困窮者や生活保護利用者の増加に対して、生活保護ケースワーカーの配置が追いつかないため、法律で決められている保護世帯80世帯(郡部では65世帯)に対して1人のワーカーの標準配置数が守られず100世帯以上を担当するワーカーが珍しくありません。また人事異動が頻繁に行われるため支援の専門性を確保・蓄積することが困難になっています。こうした悪条件の下で、貧困の拡大と国の生活保護抑制基調の政策との板挟みになりながら、日夜、貧困と向きあっているのが生活保護ケースワーカーをはじめとする関係者の実状だと思います。
私たちは、貧困が拡大している現代だからこそ、すべての市民に憲法25条が基本的人権として定めた健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、その人らしい人生を歩んでいただくための支援をしなければならないと考えます。生活保護の仕事は、実施要領という国の通知だけでも膨大な量に上り、理解するだけでも大変です。また貧困に至る原因は多岐に及んでいますから、それぞれの要因に対して、関係機関と連携した、最新の適切な支援が求められています。したがって、私たち生活保護の関係者は、他の領域にも増して、よりよい実践のために研究、研鑚し、交流し、つながることが求められています。
全国公的扶助研究会は、利用者本位の豊かな実践目指して、全国から500人が集まるセミナーを毎年各地で開催するとともに、手作りの『季刊公的扶助研究』誌により生活保護や公的扶助実践に関する様々な情報を発信しています。また時宜に見合ったシンポジウムやケースワーカー向けの研修会、さらに各種出版物など多彩な活動を展開しています。
みなさん、ご一緒に活動しませんか。きっと素晴らしい実践に目を開かれ、新たな仲間と出会えると思います。よろしくお願いいたします。

2016年4月1日
全国公的扶助研究会
会長 吉永 純

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事務局:全国公的扶助研究会事務局
E-mail:zennkoku_koufukenn@yahoo.co.jp